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Re-Mat ECOLUM 人・企業・環境をつなぐ、リマトの産廃コラム

ウクライナ侵攻による環境犯罪

2022.08.09

ロシアのウクライナへの侵攻は2か月以上に及び、無差別攻撃による深刻な被害が続いています。世界が地球温暖化による深刻な環境問題を抱えるなか、ウクライナ戦争は「人類絶滅の危機を加速させる環境破壊をもたらす」と警告されています。

ウクライナのドンバス地方はもともと環境汚染地域

ウクライナのゼレンスキー大統領は4月18日夜に公開した演説動画で、ロシア軍がドンバス地方で大規模な攻撃を始めたと説明しました。ウクライナ東部に位置するドネツィク州とルハーンシク州、通称ドンバス地方には、約4,500の鉱山、製錬所、製鉄所、化学工場があり、古くから重工業と金属工業の中心地です。ドンバス地方の鉱山の多くには、管理不全の放射性廃棄物があるとみられています。この地域は、今年2月のウクライナ侵攻開始よりもずっと以前から、重大な環境汚染地域の一つと見なされていました。

2014年に始まった対ロシアとのドンバス戦争(※備考)により、放棄された炭鉱から放射性物質やその他の有毒物質が流出しました。坑道は互いにつながっているため、1つの坑道からの汚染水が他の坑道へも流出します。これらの鉱山で洪水が発生した場合に、汚染水が地下水と混ざり合い、飲料水を汚染するとのリスクがあると指摘されています。

現在のウクライナ戦争は、鉱業により汚染された地域を舞台に繰り広げられているのです。

<ドンバス戦争>

ドンバス地方で2014年から続く、ロシア・ウクライナ間の武力衝突(ロシアによるクリミア併合への抗議)何度も停戦協定が結ばれては協定違反の武力衝突が繰り返され、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻し現在に至る。

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