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Re-Mat ECOLUM 人・企業・環境をつなぐ、リマトの産廃コラム

産業廃棄物の運搬業務における「白ナンバー」運用と国土交通省の見解

2026.04.28

令和8年4月1日、国土交通省は無許可で営業を行う違法な「白ナンバー」トラックへの規制を強化するため、改正法の施行を行いました。改正法では、不法な事業者を利用した荷主側も処罰や行政指導の対象となるほか、委託回数の制限が努力義務として設けられます。さらに、これまで一部に限られていた契約内容の書面交付義務が、貨物利用運送事業者にも幅広く適用されるようになります。これらの改正は、物流業界の健全化と適正な運送取引の確保を目的としています。



貨物自動車運送事業法の改正と「白トラ」規制の強化

令和7年6月に「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」が成立し、令和8年4月1日からその一部が施行されることとなりました。この改正において最も注目される点の一つが、「白トラ(白ナンバーのトラックによる違法な有償運送)」に対する規制強化です。
これまでも、貨物自動車運送事業法において、他人の需要に応じ、有償で自動車を使用して貨物を運送する「一般貨物自動車運送事業」を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可(緑ナンバーの取得)を受けなければならないと定められていました。これに違反する白ナンバーでの有償運送は違法行為でしたが、今回の改正法では、こうした違法な白トラ事業者に運送委託を行った「荷主等」に対しても、新たに規制がかけられることになりました。
具体的には、

〇委託次数の制限

貨物自動車運送事業者および貨物利用運送事業者に対し、再委託(下請け)の回数を2回以内までとする努力義務が課されます。

〇実運送体制管理簿の作成

元請事業者は、委託先および再委託先を把握し、実運送体制管理簿に記載することが義務付けられます。

〇書面交付義務の拡大

これまで貨物自動車運送事業者にのみ課されていた運送契約締結時の書面交付義務が、貨物利用運送事業者にも新たに課されるようになります。

また、無許可業者に依頼した荷主に対して、100万円以下の罰金が科されるほか、国土交通大臣による是正要請や、元請事業者に対する行政処分、社名の公表といった厳しい措置が盛り込まれています。

産業廃棄物収集運搬における実態と「付帯業務」

産業廃棄物処理においては、環境省の見解として、廃棄物処理の主たる業務は「収集および処分」であり、「運搬」はその業務を完遂するために付帯する業務であるとされてきました。このため、多くの事業者は、廃掃法の許可のみを取得し、車両については貨物自動車運送事業法の許可を要しない「白ナンバー」のままで事業を運営しているという実態があります。改正法によって、白ナンバーでの運送が「違法な白トラ」とみなされるようになれば、運送を委託する排出事業者(荷主)が処罰の対象となる可能性が生じます。

国土交通省は、令和8年3月16日に「貨物自動車運送事業法における廃棄物の運送に関する取扱いについて」を出しました。この通知は、改正法の施行を前に、廃棄物運送に関する取扱いに変更がないことを明確化することを目的としています。

〇許可不要部分の確認

貨物自動車運送事業法においては、他人の需要に応じ有償で運送を行う場合は許可が必要ですが、「自己の生業と密接不可分であり、その業務に付帯するものとして運送を行う場合」については、運送事業に該当せず、法の許可(緑ナンバー)を要しないとされています。

〇廃棄物処理における付帯業務の解釈

環境省の見解に基づき、廃棄物処理の主たる業務は「収集および処分」であり、運搬業務はこれらの業務を完遂するために付帯する業務であると整理されています。

〇判断の主体

個別のケースが上記の「付帯業務」に該当するかどうかについては、廃棄物処理の実施や委託の手法が市町村や排出事業者ごとに異なるため、その実態を踏まえ、発注者側において適切に判断した上で、法令に則した業者を選定することが求められています。

〇運送のみを行う場合の留意点

収集又は処分を伴わず、「廃棄物の運搬行為のみ」を業として行う場合には、法の許可等が必要となる点に留意が必要です。

この通知により、改正法が施行される令和8年4月以降も、「運搬と処分(または収集)を一体として受託している」ケースにおいては、過去の見解に変更はなく、白ナンバーでの運用が引き続き認められることが事実として確認されました。

国土交通省の通知によって、過去からの見解に変更がないことが確認されたものの、改正法による「荷主への規制」自体は令和8年4月1日から施行されます。そのため、排出事業者(荷主)は、自社の委託先が「違法な白トラ事業者」に該当しないかを改めて確認する必要があります。

結論として、国土交通省の最新の事務連絡に基づけば、産業廃棄物の収集・処分と一体となって行われる運搬については、従前通り白ナンバーでの運用が可能であるという見解です。しかし、荷主側のガバナンスが問われる法改正であるという側面は変わらず、各事業者は自社の契約形態が法改正に該当するかどうかを適切に判断し、運用することが求められています。

参考資料

・LIGARE(2025)
「白トラ規制強化と荷主への影響」
https://ligare.news/story/mlit_20251126/
(最終閲覧日:2026年4月14日)

・LOGISTICS TODAY(2025)
「白トラ規制強化、荷主責任の拡大」
https://www.logistics.jp/article/politics-administration/item_S001036
(最終閲覧日:2026年4月14日)

・朝日新聞社(2025)
「白トラ規制強化、荷主にも罰則」
https://smbiz.asahi.com/article/16178175
(最終閲覧日:2026年4月14日)

・牛島総合法律事務所(2026)
「廃棄物処理と貨物自動車運送事業に関する近時の動向」
https://www.ushijima-law.gr.jp/client-alert_seminar/client-alert/20260324waste/
(最終閲覧日:2026年4月14日)

・国土交通省(2025)
「違法な『白トラ』への規制が令和8年4月1日から強化されます」
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000346.html
(最終閲覧日:2026年4月14日)

・国土交通省(2026)
「廃棄物の処理と貨物自動車運送事業に係る許可等の関係について(事務連絡)」 PDF
(最終閲覧日:2026年4月14日)

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