青くて丸い地球の写真が「アースデイ」発祥の立役者?
レイチェル・カーソンの『沈黙の春』が出版された1962年以降、徐々に高 まりつつあった人々の環境への関心が、更に大きくなったのには、きっかけが ありました。 最初のアースデイが始まった1970年4月から遡ること15ヶ月前に撮影され た地球の姿です。
1968年12月24日にアポロ8号の宇宙飛行士が月から昇る地球の姿 「アースライズ(地球の出)」を撮影しました。人類が地球を外から見たの はこのときが初めてだそうです。これは「史上最も影響力のあった環境写 真」とも言われています。地球が青くて美しい姿をしていることを人類が知っ たのは、今からわずか52年前のこととは驚きませんか。
日本におけるアースデイ(地球の日)のイベント
日本では、1990年に初回のアースデイが行われました。驚くことに、日本の銀座で歩行者天国が始まったのも、アースデイがきっ かけだったそうです。最初は地球環境を守るため、また急増していた自動車事故を減らすための、自動車のボイコットとしてのアクショ ンだったようです。
東京では、毎年4月22日のアースデイの前後の土日、代々木公園を中心に「アースデイ東京」が開催されています。他にも、北 海道、千葉、湘南、富山、石川、長野、大阪、沖縄など全国各地でアースデイのイベントや企画が幅広く実施されています。
今年のアースデイ東京は、新型コロナウィルス感染拡大予防のため、4/18-19の週末にオンラインで開催され、音楽コンテンツや 環境活動家や有識者によるトークプログラム、アースデイの成り立ちを紹介したコンテンツ等が配信され、オンライン飲み会が開かれ ました。
新型コロナウィルス対策で大気汚染物質が一時的に減っている
新型コロナウイルス感染防止のための外出制限や生産活動の停止が、地 球環境改善に寄与しているかも知れません。
今年3月2日にNASA(米国航空宇宙局)が公開した衛星画像によると、 中国の武漢から始まった感染拡大で全国的な移動制限や生産活動の制限 を行った結果、黄色や濃茶色が示す高濃度地域が消えて、大半が 100μmol/m2以下に下がったのです。
二酸化窒素は、自動車や航空機の排気ガスや工場の排煙など高温燃焼 に伴って発生する有害ガスです。二酸化窒素の濃度が低下したということは、 地球温暖化の主因とされるCO2やPM2.5なども減少したと考えられます。
中国大陸で大気汚染物質が減少し、越境汚染が低下したこと等により、日 本でも3月の大気がきれいになっているそうです((株)ウェザーニュースの解析結果)。 欧州宇宙機関(ESA)の公開した人工衛星の画像によると、イタリア でも二酸化窒素排出量が激減したとのことです。
編集後記
人口衛生の画像は、人間の活動制限が地球環境に好影響を及ぼしていることを如実に語っていますね。新型コロナウィルスがめ でたく終息した後、人々の行動は地球と共存するためにどう変わって行くのでしょう。