プラスチック使用製品の廃棄段階における資源循環を促す3つの認定制度
プラスチック資源循環促進法(以下「プラスチック新法」)は、プラスチック使用製品の設計・製造段階から廃棄に至るまでのライフサイクルの各段階で、回避可能なプラスチックの使用は合理化した上で、必要不可欠な使用については徹底したリサイクルに取り組むために、その考え方や製造販売事業者、ユーザー、排出者それぞれの役割を示した法律です。
プラスチック新法の全体概要にご関心のある方はこちらをご覧ください。(リーテム8月コラム「続報 プラスチック資源循環促進法」 https://www.re-mat.co.jp/column/2021/plastic02/ )
プラスチック使用製品のライフサイクルのうち、廃棄段階における資源循環を促すために導入されるのが3つの認定制度です。
プラスチック新法の「自主回収及び再資源化の認定制度」と廃棄物処理法の「広域認定制度」の比較
プラスチック新法で導入される、「製造事業者等」と「排出事業者」による自主回収及び再資源化の認定制度と、廃棄物処理法の特例制度で既に存在する「広域認定制度」には多くの共通点がありそうです。
廃棄物処理法の「広域認定制度」の成り立ちと認定状況
プラスチック新法の「製造・販売事業者」と「排出事業者」による自主回収及び再資源化の認定に似ている「広域認定制度」とはどんなものでしょうか。
2003年の廃棄物処理法の改正により、リサイクルを促進するための規制緩和として廃棄物処理法第9条の9(一般廃棄物の広域的処理に係る特例)及び第15条の4の3(産業廃棄物の広域的処理に係る特例)が規定され「広域認定制度」が創設されました。製品の製造・販売事業者は、環境大臣の認定を受けることで、廃棄物の収集運搬許可や処分許可を得ずに、自社製品が廃棄物となったものを広域的に回収しリサイクルすることが可能になりました。
同制度により期待されたのは、製造・販売事業者自らが関与することで、効率的に再生利用され、また再生利用し易い製品設計が促進されることです。
広域認定制度の申請時には、認定の主体者となる事業者と製品の情報のみでなく、廃棄物となった自社製品の運搬や選別、リサイクルに協力する事業者の情報と物の流れや物量をすべて申請時に提出して審査を受けます。認定を取得して運用を開始した後には、回収実績の年度報告と、認定内容に関する変更届や廃止届の提出が求められます。
編集後記
企業成長の新たな判断基準「ESG」、国、地方公共団体、企業、個人のすべてを含んだ世界的目標の「SDGs」、地球温暖化問題をはじめとする「プラネタリー・バウンダリー」(人類が地球で生存するための地球の限界)の問題等、複数の重要な視点が交差する延長線上で、新たな資源循環の取組みを検討なさっている企業様は多くおいででしょう。
グループ会社のリーテムでは現在、産業廃棄物広域認定の申請・運用のご支援をしており、来春以降はプラスチック新法に基づく「プラスチック使用製品の製造事業者等や排出事業者による自主回収及び再資源化の認定」の支援サービスも提供してまいります。ご関心があればお声掛けください。